安定を求めて大企業か、成長を求めてベンチャーか…?
よく語られる切り口ですよね。
就職や転職のタイミングなど、キャリアを考えるにあたって多くの人が悩むポイントだと思います。
両方を経験した私が、大企業とベンチャーのメリットとデメリットを整理しつつ、どちらがいいのかについて解説したいと思います。
結局、大企業とベンチャーどっちがいいの?
さっそく結論から言います。
大企業にいけるチャンスがあるなら、まずは大企業へいくべきです。
日本は良くも悪くもブランド志向です。
就職や転職の際に学歴や出身企業は有利に働きます。
採用側からすれば、”何を”やってきたかよりも、”どこに”いたかのほうが確実ですし、まずそこで評価されます。
※ここは欧米の考え方とは異なるので外資系で評価されるかは別
特に新卒カードは貴重です。
能力差ではなく、学歴と面接の印象のみで判断されるチャンスは新卒の時だけなので、学生ならとりあえず大企業にチャレンジして、新卒カードを有効活用するべきだと思います。
ちなみに私は学生時代ベンチャーでインターンをしていて、そのまま卒業後に入社したので新卒カードをがっつり無駄使いしましたw
当時の私に長期的なキャリア形成の視点はなく、リクルートスーツ着て大企業に就活するよりもとにかくベンチャーで色々経験して誰よりも早く成長したいという、いわゆる意識高めな考え方をしてまして、今ではもったいないことをしたなと後悔しています。
また既卒の方でも、今は大企業も中途採用を強化してるので転職チャンスはあります。
転職の場合は学歴などのスペックよりも能力の比重が高くなるので、専門領域のスキルがあればむしろ新卒より難易度は低いです。
とにかく私が伝えたい点は、キャリアのどこかで必ず大企業を経験すべきだということです。
別にベンチャーを完全に否定しているわけではありません。
玉石混交ではありますが、大企業の年収じゃ築けないような資産を、自分で起業するよりはるかに低リスクで手に入れるのにはいい選択肢だと思います。
ただし、社会人経験の少ない新卒や若手だとまだビジネスに対する審美眼が養われていないので、良質なベンチャーを探し当てるのはけっこう難しいですし、悪質なベンチャーに入っちゃうと搾取される可能性が高いのでオススメしません。
(ちなみに私は新卒で入ったベンチャーで搾取された認識はないですw そこは運がよかったですね)
ということで、ここまで大企業推しの話をしましたが、今後のキャリアを一社だけで終えることはほぼありえないと思います。
釣りっぽいタイトルをつけてしまいましたが、大企業vsベンチャーという二元論ではなく、キャリアステージやキャリア志向によって使い分けるべきだというのが本当の結論です。
大企業のメリット/デメリット
では、経験するべきといっている大企業にどんなメリットがあるのか、どんなデメリットがあるのか、整理したいと思います。
メリット① 教育制度の充実
大企業の教育制度を侮ってはいけません。
大企業が高い業績を維持できているのは優秀な人材を多く育てているからであり、そのための育成システムを長年かけて構築しているのです。
これは存分に利用するべきだと思います。
メリット② 上司や同期などの人脈
大企業との人脈はビジネスをする上でめちゃくちゃ有利です。
転職であれ起業であれ、ここで築いた人脈がその後の仕事人生で活きること間違いありません。
ただし、在職中にしっかりと実績をあげて信頼関係が構築されていることが前提ですが。。。
メリット③ ネームバリュー
在職中は親が自慢できるとか合コンでモテるとかしょうもないメリットですが、ここでいうネームバリューは退職後に効果が出てきます。
冒頭でもいったように、出身企業であなたの評価がけっこう変わります。
出身企業は名刺代わりにもなりますし、転職の際に有利に働いたり起業時の信用度アップだったりと、退職しても様々なシーンで助けてくれることになるでしょう。
メリット④ 安定した給料水準
大企業だから給料が高いわけではありませんが、報酬体系はしっかりしているので安定しています。
また社会的信用度があるので、銀行ローンの審査が通りやすいというのもあります。
よく大企業→ベンチャーへ転職する際、在職中にローン組んでマンション購入しておくという方も多いですね。
デメリット① 出世に時間がかかる
社員数が多く上も詰まっているので、多少の早い遅いはあれど出世・昇給にはどうしても時間がかかります。
また競争相手も多く、彼らの中で抜きん出るには社内向きなアピールだったり上司とのパイプのような本質的にビジネスと関係ない社内政治が必要になってくるかもしれません。
そういった煩わしさが苦手な方は早々に実力つけて、管理職になる前に外に出るのが◎です。
デメリット② コンフォートゾーンから抜け出せない
人によってはメリットかもしれませんが、やはりキャリアップを目指す上では環境を変えていくことが重要です。
会社の知名度、高い給料、仲のいい同僚・・・
何かにチャレンジしようとしたときにそういった居心地のよさは足かせになります。
ですが、大企業だからといってこの先も優良企業であり続けるかどうかわかりません。
コロナやテクノロジーの進化のような外的要因によって業績悪化したり、倒産リスクだってあるわけです。
そうなったときにいざ労働市場で勝負しようと思っても、ぬるま湯につかっていて市場価値が低いままだと、せっかくのネームバリューも活かせずにキャリアダウンしてしまう可能性もあります。
大企業はゴールではなく、あくまで通過点だという認識を持っておいたほうがいいかと思います。
オススメの業界
コンサルティング業界、会計ファーム、金融業界(※銀行は✘)、広告業界といった幅広い業種と取引のある業界がいいですね。
なぜなら幅広い業種でニーズのある専門スキルが身につくので、転職に有利だからです。
その後のキャリアの選択肢が広がります。
ベンチャーのメリット/デメリット
入社するときのキャリアステージと選び方さえ間違わなければ、ベンチャーも有望なキャリアの選択肢になりえます。
ベンチャーの定義は曖昧ですが、ここでの共通認識は社員数100人以下、設立10年以内の未上場企業をイメージしています。
メリット① 出世スピードの早さ
大企業のデメリットの裏返しですが、ベンチャーは若い世代が多いので必然的にチャンスが早く回ってきやすいです。
若くして部下をもってマネジメントしたり事業責任者としてPL管理したりして、大企業の3倍速くらいで経験を積むことができます。
メリット② ストックオプションがもらえるかも
未上場であればストックオプション(新株予約権)がもらえるケースがあります。
ストックオプションは会社の株を固定額で購入できる権利のことで、付与時点の会社評価額を参考に価格が設定されますが、往々にして上場時には評価額が跳ね上がっているので、その差額分が儲けということになります。
ただし、売れれば、ですが。
ストックオプションはいい制度ですし、実際に昔ライブドアが上場したときに受付嬢までも数千万円儲かったって話があるくらい夢のある話なのですが、上場してすぐに社員にやめられたら困るので、上場しても一定期間売却できないロックアップ条項というのが契約に入っていることが多いです。
そういった諸条件をチェックしておく必要はありますが、それらを差し引いても、魅力的な制度であることには変わりありません。
メリット③ 経営に近い体験ができる
大企業だと社長なんて年に1回みるかどうかだったり、本当に大きい組織だと入社挨拶でしかみたことないって感じだと思いますw
これがベンチャーだとだいたい経営者も同じフロアにいますし、日常的に同じ会議に出席したりするので、社長が普段どんなこと考えて経営してるのかを間近でみることができます。
経営の意思決定に携われるかどうかはレイヤー次第ですが、自分の仕事が経営に与えるインパクトがみえたり、何か意思決定したときの社員の反応とか、会社経営のダイナミズムみたいなことは肌で感じることができると思います。
私が当時在籍していたベンチャーでは社長が情報をかなりオープンにしてくれていて、毎月の売上推移やPLで会社のコンディションの共通認識が持てたり、増資した際にはどこの会社にどんなプレゼンしていくらで資金調達するのかみたいな情報まで共有があって、かなり経営が近いなと感じていました。
デメリット① 忙しい
たいがいのベンチャーは常に人手不足です。
ビジネス成長に採用が間に合ってないので、一人あたりにかかる業務負荷が大きいです。
これを成長と捉えるか搾取と捉えるかは人によりますが、いずれにしても多忙です。
多少のプライベートの犠牲は覚悟する必要があるかもしれません。
デメリット② 低い給料
成長という言葉だったり、上場ちらつかせてストックオプションでモチベーションを上げる一方で、役員じゃない一般社員の給料はやはり低く設定されています。
なぜなら、お金はビジネスに投資したいからです。
固定費はなるべく押さえたいのです。
人件費もビジネス投資だろという意見が聞こえてきそうですが、それはビジネスが安定してせっかく採用した優秀な人材をやめさせないための投資だったりします。
ビジネスが急成長しているタイミングで人への投資は非効率なのです。
オススメのベンチャー企業
多少のリスクを冒してまでベンチャーに飛び込むからには株やストックオプションで一儲けしたいわけですよね?
となると、みるべきポイントは上場や買収の可能性です。
まず上場可能性に関してですが、社長にその意思があるのかという点と、成長性のある事業領域なのかという点ですね。
いまだとIoT、ビッグデータ、AI、ロボットあたりですかね。
そして、その分野で独自の技術やユーザー基盤を保有してるか、です。
VC界隈ではGAFAやソフトバンクが買いそうかどうかで投資判断する、なんてことはよくいわれますが、そんな感覚に近いと思います。
<結論>キャリアステージで使い分けるべき
さて、大企業推しなのにベンチャーもいいよねって、結局おまえは何が言いたいんだよということですが、若手なら大企業でスキルとネームバリューを、中堅以降ならベンチャーで経営体験とストックオプションを手に入れろ、ということです。
自身の経験から若手でベンチャーの旨味を享受するのはハードルが高いと思います。
どちらかというと若いエネルギーが搾取される可能性のほうが高いかなと。
それよりはしっかりとした教育制度で着実にスキルをつけながら、退職後も通用する出身企業ブランドも手に入る大企業で過ごしたほうがいいです。
そして時期をみてベンチャーに挑戦する際には、自身の経験が活かせる領域で、ポジションや報酬の交渉した上でジョインすることをオススメします。
もしベンチャー役員として上場や買収の経験ができれば、そこで一定の資産が得られるだけでなく、その後のキャリアでも十分に活きる実績も手に入ります。
なので今の私がキャリアをやり直すなら、新卒で大企業→30代でベンチャー役員として参画して上場を目指します。
まとめ
今回は大企業vsベンチャーと言いつつ、キャリアステージで使い分けてキャリアアップを図りましょうという話をさせていただきました。
正直会社にもよるので、どっちがいいなんて二元論では語れませんが、両方を経験した私からすると、日本において大企業のメリットはやっぱりすごいなと感じます。
その会社出身だというだけで一定の信頼が得られますし、人脈も広がります。
仕事にも繋がりやすいです。
なので学生なら新卒で大企業を、若手なら大企業への転職を目指すといいと思います。
特に若手の人向けに私がオススメするのは、若手の転職支援実績が豊富なマイナビエージェントです。
書類や面接のフォローアップはもちろんのこと、業界出身者がアドバイザーとしてカウンセリングしてくれて、可能性のある候補企業をピックアップしてくれます。
ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか?
20代・30代の転職に強い転職エージェント マイナビエージェント
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
デキるビジネスになるための記事を今後も更新していきますので、よかったら購読していただけると幸いです。
Twitterでも発信していきますので、フォローお願いします!
コメント